テレビ局の節度


格闘技の番組がテレビ局の目玉番組になっている。柔道のチャンピオンやレスリング協会で育ったの選手達も沢山活躍している。
 そもそも総合格闘技とは何なのだろう。私はあまり賛成できないが、今の風潮なのだから総合格闘技を批判するつもりはない。
 しかし、大テレビ局が人が人を気を失うほど叩きのめす格闘技を目玉番組として大々的に放送することは、どう考えても平和とヒューマニズムを売り物にしているテレビ局の品位に照らしてみてもおかしいと思う。
 顔面を膝で蹴る、押さえ込んで動けない相手を殴りつづける、これはどう見てもテレビで放映する画像ではない。テレビ局は視聴率が取れればよいというものでは無いだろう。
 特に酷いのは高校生ヘッドギヤーも付けさせずに戦わせることだ。何が格闘技甲子園なのだろうか。少なくとも18歳以下の少年にはさせてはいけない競技だと私は思う。スポーツとして長い歴史のあるボクシングは大学生でもヘッドギアを付ける事を義務づけている。
 格闘技にも多くのスタイルがあり、それなりにマナーもあるのだろうが、テレビで放映を見ている限りでは急所以外は何でも有りのように見える。試合中に事故で死人が出てからでは遅い。私は人気のある総合格闘技を競技として認める条件として、膝げりと寝技での打撃の禁止を最低の条件として提案したい。
 米国では州によって一般のテレビ放映は禁止していて、愛好者はケーブルテレビで観戦しているという。私の予想ではこのままのルールで総合格闘技の放映を続ければ、幾ら視聴率が稼げると言っても、放送倫理上からしてもテレビ放映は無くなって行くのではないかと思っている。

戻る