勝てば官軍
 
 アテネオリンピックが終わって、レスリングに対するマスコミの評価がガラッと変わった。レスリング協会70年の歴史の中で今ほど世間の注目を集めたことはない。
 10月9日に開催される「女子ワールドカップ」は、なんと日本テレビでゴールデンタイムに2時間放映されるはこびとなった。我々としても全く考えても見なかった事態が起こってしまった。やはり女子が頑張った結果である。アテネでの女子レスラーの死闘が国民に感動を与えたのだ。伊調選手、吉田選手のオリンピック決勝戦はテレビ東京で放映されたのだが、15%の視聴率であったと聞いた。プロ野球の巨人戦ですら10%を切る昨今、大変な数字である。
 男子もアテネでは最終日程で銅メダルを2個取ったことが印象深かったのだろう。色々なところで「男子も復活しましたね」とお褒めの言葉を頂いた。男子については、笹本選手の不信判定もあって、我々としては不本意な部分もあった。しかし、女子に引っ張られる状態ではあったが「日本のレスリングは強かった」との印象を多くの方々に持っていただき有り難いがぎりである。このチャンスをしっかりと捕まえて、ワールドカップでは攻撃的な面白い試合を国民の皆様にお見せし、「レスリングは面白い競技だ」と認識していただけるよう、協会を挙げて取り組む所存である。勝負は勝たなければ駄目だ、レスリングは永遠に勝ち続ける事が最大の普及策であり強化策である、とつくづく感じた次第である。
 
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