内需の活性化

 いよいよ衆議院議が解散され事実上の選挙戦が始まった。各党ともそれぞれの改革を訴えているが、経済の活性化については全く勉強不足だと思うことが多い。とくに野党は政府の経済施策を批判しながら、どの様にしたら日本経済が立ち直るかといった具体的な指針が無く、ただ日本経済の一部の状態だけを取り上げ、国民に耳触りの良いことばかりを言っている。特に内需を増やす施策をと各党とも言っているが、その為にはどうして日本の内需が低迷しているのかを検証しなければならないだろう。私は当分の間、日本の内需が活発になってゆくとは思っていない。日本の内需低迷の最大の理由は商品の価格がバブル時代から見れば大幅に低下しているからである。480円の牛丼が200円に、700円の靴下が200円に、3000円のセーターが2000円に…、例を挙げればきりがないほど価格低下は進んでいる。これが内需低迷の最大の理由であることを政治家は分かっていない。どの政治家もどの政治家も口ばっかりで、世間知らずなのには腹が立ってくる。内需促進の為に牛丼を二杯食べろと言っても無理だ。セーターを沢山買えと言ってももう「タンスが一杯です。」と言われるばかりだろう。
 商品は充分動いているのだ。市場で動いている商品の数ばバブルの時と変わらないか、むしろ増えているのではないか、内需の低迷は個々の商品の価格の下落に他ならない。当分値上げは無理なのだから、内需を増やすには庶民が欲しいと思う新しい商品の開発しかないだろう。ディズニーランドは今でも一杯だし、お台場、後楽園、等、都市形温泉ランドも大入りである。デジタルカメラ、ビデオ、携帯電話も依然として売り上げを伸ばしている、市場に新しい芽は確実に出てきている。
 ただし新しい商品の開発には時間がかかるし資金もかかる。中小企業は、地方の企業は、瀕死の状態だ、と馬鹿の一つ覚えのように野党は言っているが、返してもらえる見込みのない企業には銀行が金を貸さないのは当たり前の事だ。大企業だろうが小企業だろうが、その時勢いの良い企業が経済を引っ張って行ってこそ経済に弾みがついてゆくのだ。
 
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