DNA研究と人類滅亡の危機

 人類は世界戦争となり原子爆弾をミサイルに載せて発射させた瞬間滅亡に向かう。
 こんな事は誰でも知っているが、まずそういうことにはならないだろうと、大半の人がたかをくくっているのも事実です。アメリカ、ロシア、中国など核保有国の理性を信じているのでしょう。
 しかし、それより怖いことがあります。それは人類が最も恐れつつ興味を持っているDNAの研究です。人間のDNAはほぼ解読され、いかなる細胞によってこの生物が成り立っているかが判明したのです。この研究が進んでゆくと人間は死ななく成るかも知れないそうです。老化する細胞を取り替えて、何時までも若く生きられる細胞に変えれば人間は死ななくなるかもしれないのです。
 人間社会は「人は死ぬ」ということを前提に全てが成り立っています。しかし、人は死ななくなったらどうなるのでしょう。それでも人は子供を産むのでしょうか、年上の人達はいつまでたっても居座っているのです。老人社会、そんなものではないでしょう。殺人は当然増えるでしょう。全ての分野で潰し合いが始まり、想像も出来ない殺伐とした社会になるでしょう。それも余り先の話ではなく、十年か、二十年先に、こんな馬鹿馬鹿しい事がおきるかも知れないのです。
 チンパンジーはDNAにおいては人間と10%も違いがないのだそうです。人間と同じ能力と思考を有するチンパージンを作ることも可能なのだそうです。逆に人間を能力だけ猿の能力にすることも出来るそうです。
 もしかしたら人類はとんでもない終末を迎えるのかも知れません。あと十年二十年先にも来るかも知れない修羅場のために、世界の指導者は人類としての倫理の確立を急ぐべきです。兵器を持てば使いたくなるのです。クローンを研究すれば、クローン人間を作りたくなるのです。DNAはいじってはいけません、医化学者の暴走をコントロールすべきです。遺伝子をもてあそぶことは、原爆を作るより、ミサイルを作るより恐ろしいのです。生物は時が来れば死ぬのが当たり前です。医学の使命と限界を世界的規模で確認し合い、それ以上に進めれば犯罪にもなる規制をすべきであると私は主張します。
戻る