凍てつく韓国にて
 
 韓国の冬は朝の明けるのが遅い、そして身体の芯まで冷える。ソウルに仕事で行っても、私は習慣の朝の散歩をする。ソウルの朝は、七時になっても車はライトをつけ、どんよりと暗く、寒さば日本では体験したことのない、突き刺さるようなまさに凍てつくという言葉がひったりの寒さである。それでもソウルは暖かい方で、北に行けば想像の出来ない寒さだそうだ。
 その北朝鮮は、食べ物も足りなくて、暖房もほとんどな無い状態だそうである。子供達はどうしているのかな、みんな寄り合って暖をとっているのだろうか、私が韓国の友人に聞くと、友人はそんなことは考えないようにしているそうだ。ただ、不幸だよ、とだけ言った。 北朝鮮人民の立場で考えると、日本人は侵略してきて、統治して、負けて帰っていったかと思ったら、あっという間に経済大国とかになって、ぬくぬくと享楽を謳歌しているとか、許すもんかこの恨み、この寒さを体験すると分かるような気もする。

      凍てつけり山も空気も漢江も
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