第60回岡山国体

 今年の国民体育大会は岡山県倉敷市で開催されました。私も役員として参加いたしましたが色々な意味で印象に残る大会でした。
 岡山県レスリング協会梶川政文会長は現役時代は明治大学のフライ級名選手でした。当時の学生レスリング界は中央大学と明治大学が圧倒的に強く、他の大学を大きく引き離しておりました。大学リーグ戦の中明戦はレスリング界だけではなくスポーツ界の注目の対戦で、一般紙も中明戦の予想記事を掲載するほどでした。リーグ戦の最終戦に全勝同士で対戦する両校には応援団が大挙して応援に駆けつけ、青山レスリング会館は超満員で割れんばかりの熱気でした。中大・今泉と明大・梶川は先方として激しい対戦を何度もしたものです。岡山国体で懐かしく語り合う二人は、当時は52sの選手だったのですが、今はお互いに70sを越える巨体になっておりました。
 昭和37年に開催された岡山国体(第17回)で私は一般フリースタイルフライ級で優勝しております。今回の倉敷国体の前夜祭のパーティーで前回大会の優勝者として紹介され、誇らしいような、おもはゆい様な、気持ちでした。

 倉敷からJRに乗って一時間足らずで広島県の尾道市に着きます。尾道は私の亡くなった妻の郷里です。妻の分骨したお墓もありますので、試合の合間を見て墓参りに行ってきました。妻の実家は百年以上も尾道で商売を営んでおりましたが、今は後を継ぐものも居らず、親族もちりぢりになっておりました。
 何度も訪れたことのある尾道の街ですが、観光客もまばらで人出で賑わったアーケードは閑散として、シャッターの閉まった店ばかりが目立ち、不況から立ち直れない地方都市の現状をかいま見た思いでした。
 
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