心の鍛錬
 
スポーツの技量を高めるには、体力、技術力、精神力、この三つの力量のバランス良い向上が不可欠である。この三つの中で、体力増強、技術の向上についてはそれぞれの競技でしっかりとした指導が行われている。しかし、精神力の強化については具体的なマニュアルもなく、指導者の考え方もさまざまである。
 格闘競技は精神力で最後の勝負が決すると言っても過言ではない。日頃の錬磨を続ける忍耐力、試合で最後まで諦めない勝負の精神力、人様々な精神力について、それぞれを分析し、レスリング協会の英知を集めて、高校生・大学生を対象にした指導者向け・選手向け、のマニュアルを作るべきと考えている。
 レスリング協会においては、今まで各所属のカリスマ先生の指導によりレスラーは育てられてきた。高体連では、古くは光星学院高校の河原木先生、鹿児島商工の加治佐先生、最近では霞ヶ浦高校の大沢先生、網野高校の三村先生に代表される、熱血先生である。これらの先生は選手と寝食を共にし、選手個人個人の特性を掴み、厳しくも思いやりのある指導で成果を上げてきた。大学生と言えども最近ではかなりの部分監督の指導が反映されている。精神力といっても個人差は限りなくあり、指導も千差万別であろう。
 苦しい毎日の練習に耐え、勝利に飽くなき野心を抱かせるには、どんな指導をしたらよいのだろうか、実践している現場の先生方の指導を集約したマニュアルを、(財)日本レスリング協会は是非作らなくてはならない。
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