全日本選手権の楽しみ

 12月22日に行われる全日本選手権が楽しみだ。こんなにレスリングの一つの試合が楽しみになったのは久しぶりのことだ。期待の試合は勿論吉田沙保里と山本聖子の対決だ。最近の両者の対決は二勝二敗であったが、その後は協会の意向もあって山本が1階級上の59s級に上がり両者とも世界チャンピオンとなった。しかし、オリンピック種目に59s級は無くオリンピック選考会を兼るこの大会に再び山本聖子は55sに挑むのだ。
 試合は左組の吉田に対し右組の山本の対決となり、先制攻撃する吉田の左両足タックルが山本を崩せるかにかかってくるだろう。吉田の先制のタックルが決まらなかった場合、山本のがぶりからの足取りが決まるような気がする。完全に決まれば3ポイント、決まらなかった場合でもバックポイント1点は取れるように思う。吉田が追いかけるような試合になると山本のペースだ。吉田としてはなんとしても試合開始直後の両足タックルを成功させたいところだ。
 吉田も山本も幼年時代からレスリングをしており相手との呼吸、技がかかる瞬間のタイミングを熟知しており、ほんの一瞬で全てが決まってしまうような気もする。私としてはどちらも勝たせたいし、どちらも負けて欲しくないのが本音だ。オリンピック代表決定までの両者の激しいしのぎ合いの開幕だ。このクラスはどちらがオリンピック代表になっても金メダルの可能性が高く、協会の全ての期待がかかるクラスだ。
 その他、女子48s級も予想の出来ない混戦で、坂本真喜子、清水美里、伊調千春、吉村祥子、山本美憂ら、誰が勝ってもおかしくない状態だ。全日本選手権がこれほど楽しみになることも久しぶりのことだ。

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