ニューヨーク
 
 ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンの世界選手権に行ってきました。全米のスポーツ選手が憧れる会場で試合をした日本のスポーツ選手は大相撲とプロレスラーくらいのものだと聞いていましたが、まさに噂通りのアメリカ最大のスポーツ施設でした。
 そのマジソン・スクエア・ガーデンで君が代が5回も流れたのです。ニューヨーク在住の日本人に言わせれば、「考えられないことが起きた」ということでした。
 日本女子は強かった、まさに女性の時代です。7階級中5階級に優勝した日本は、福田会長に言わせれば「オリンピックまで世界を敵に回した」という状態でしょう。男子も銅メダル1、オリンピック出場資格3は、なんとか体面を保ったと言えるでしょう。欲を言えばきりがありませんが、強豪ひしめく世界の現状を考えれば、池松、田南部、小幡はよく入賞したと思います。横山、太田たちもよく頑張りました。予選リーグ通過は出来ませんでしたが、いずれ、あと2回のオリンピック出場資格選考会で資格を取ると思います。何はともあれ、アテネオリンピックでの金メダルの目途が立った素晴らしい大会でした。
 ところで、ニューヨークには多くの日本人レスリングOBが住んでおります。皆それぞれに成功しており、世界選手権に皆集まって、選手団を接待し、応援してくれました。「ニューヨークで儲ける私」で有名な「紅花」のロッキー青木(全米チャンピオン)や、レストラン「マウント富士」のトミー藤田(東京オリンピック4位)は億万長者です。その他、中村文昭(中大)、八田正朗(慶大)、八田忠朗(慶応高校)、阿部巨史(専大)、小山(自衛隊)、中山(明大)等、数え切れない元レスリングチャンピオン達が成功して立派に暮らしております。
 これらの人々の渡米のきっかけを作ったのは故八田会長でした。「世界に出ろ、世界は広いぞ、世界で通じる人間になれ」八田会長のグローバルな教えに啓発され多くのレスラーが、40年前から裸一貫で米国に発っていったのです。今でこそ、米国で暮らす日本の若者も少なくありませんが、当時一般には考えられないことでした。今は亡き八田会長の教えがニューヨークで大きく花開いたのです。
 
戻る