世界選手権総括1
チビッコレスリング出身の山本聖子、坂本日登美両選手優勝!

 11月20〜27日まで、日本選手団団長として世界選手権に参加した。女子51kg級の山本聖子選手(日本大学)と女子56kg級の坂本日登美選手(中京女子大学)が見事に世界チャンピオンに輝いた。二人とも抜群の強さを誇り、優勝は間違いなしと思われていたが、山本選手はあまり体調が良くなく、しかも、国内では負けが続いていたし、坂本選手は膝が相当悪く、来年は治療に当たるという。そのような不利な状況をはねのけての世界チャンピオン、大したものだ。
 私が、自慢したいのは、彼女たちがいずれもチビッコレスリング出身ということだ。山本選手はいうまでもなく、レスリング一家・山本家の次女で、小さい頃から卓越した技術を兼ね備えていた。坂本選手は、八戸の勝村さんの教え子、やはりその実力は早くから注目されていた。その選手が順調に育ち、世界チャンピオンの座に就いているわけだ。また、今回はメダルはならなかったものの、46kg級の清水選手は岐阜・マイスポーツの洞口さんの教え子、62kg級の岩間怜那選手も宮古ジュニア上野さんの教え子、つまり6階級中4階級はチビッコ出身の選手だ。女子レスリングは暫くの間、チビッコ出身は勝てなかった。ところが、この数年、完全に世代交代を果たし、チビッコ出身の選手が主流になってきた。日本にチビッコレスリングが普及し始めて約20年、私も連盟設立以来、ずっとチビッコレスリングに携わってきたが、その成果がここに花開いたわけである。しかも、オリンピックに決まった女子レスリングで。こんなに嬉しいことはないし、我々が努力してやってきたことは決して間違っていなかったことも証明された。その意味でも選手達に感謝したい。
 これからも、更なる発展を目指してチビッコレスリングの普及に務めたいと考えている。

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