中学生に国体参加を

レスリングに限らず、我が国の中学生の指導は大変難しいものとなっています。その大きな原因の一つは、中学が義務教育である、ということが挙げられます。又、教える側からすれば、生徒が規則違反をしたとき、体罰は絶対だめ、退学はもとより、停学もだめ、だとすると、規則違反生徒にどのように対応したらよいのか、どんなペナルティーを課したらよいのか、これは中学の教員ならずとも頭を抱えてしまう問題でしょう。中学生スポーツの世界もまた同じであり、はっきりとした目標を中学生に与えられない。中学生スポーツには、高校総体のような大会もない、国体参加も一部を除いてはない、国際大会もごく一部の競技をのぞいては開催されておりません。このような状態の中で中学生に何を目標に毎日のつらい訓練に取り組ませたらよいでしょうか。
 精神的にも肉体的にも10年前の高校生の域に達している中学生に対して、スポーツの世界だけでも新しい枠組みを提供してあげるべきでしょう。そこで私の提案は、国体に中学生を都道府県代表として参加させるべきと言うことです。これはやろうと思えば来年からでも出来ます。受け入れ態勢だとか、会場の問題等を行政は言いますが、本気になれば、隣接県の協力を得てでも可能です。郷土ののマークを胸に、国体に参加する中学生の誇らしげな顔が浮かぶようです。中学生に夢を目標を与えるのは我々大人の責務です。それぞれの分野で成果を上げ、ある程度の学力を持った中学生に対しては、各高校は優先的に入学を許可すると公に宣言すべきです。また、そう正式に世間に宣言することが、中学生にどれだけ目標と夢を与えるかを考えるべきです。
(平成12年4月11日、全国少年レスリングホームページ掲載)


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