福田会長のレスリング外交

 中国の反日感情は依然くすぶっているさなか、福田日本レスリング協会会長は国際レスリング連盟代表として第二次大戦の激戦地であった武漢で行われるアジアレスリング選手権に乗り込んだ。日本を発つ前の危機管理委員会で福田会長は何事もなかったように「何の心配もないように、整然と日本チームは行こう、但し危機管理委員会は最悪を想定した備えだけはするように」と言い残して出発した。勿論、武漢では何事もなく大会は開催されている、問題が起これば北京オリンピックは駄目になる。いくらピントはずれの中国指導部もスポーツを取り巻く国際世論が厳しいことを、北朝鮮サッカー事件で認識したのだろう。
 そんなさなか、武漢の福田会長から電話があり「女子レスリングの各国の強化の為日本で国際合宿をするから宿舎の確保を早急に頼む」とのことであった。北京オリンピックで中国が勝つために力を貸し、ヨーロッパの女子レスリング強化のため、各国の精鋭を集めて全体のレベルアップに、女子レスリング最強国である日本は力を貸したいといっていた。この考えの中には福田会長の並々ならない、国際女子レスリングの戦略があると私は考えている。即ち、北京オリンピックでの女子枠の増員に出来るだけ多くの国の支持を得ようというのである。アテネオリンピックでは4人枠を獲得し、日本全員がメダル獲得を果たし、今年のユニバーシアード大会では、女子を拒否するイスラム国家を相手に粘りに粘って説得し、女子7階級を初めて獲得した。そして、いよいよライバル中国と共同戦線をはって、最後の本丸、北京オリンピックの女子枠増員に取りかかったのだ。北京オリンピックで日本レスリング金メダル5個獲得、福田会長は自らの大目標達成のために全力で邁進している。
 
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