女子レスリングの草分け

 アテネオリンピックで女子レスリングは出場選手全員がメダルを取るという快挙を成し遂げました。ここに至るには、当時誰も相手にしなかった女子レスリングに20年前に着手した福田富昭日本レスリング協会会長の慧眼を評価しないわけには行かないでしょう。私も当時から副理事長とし携わっていたのでアテネでは感無量でした。
 20年前の第一回の全日本選手権に参加した女子選手はプロレスラー、柔道選手、不良少女、様々でした。その中には和久井アテネオリンピックコーチの奥さん遠藤選手や私が指導した荒川百合君もいました。荒川百合君は全日本に優勝し、フランスの国際大会にも出場し、美人であったので当時はずいぶん話題になりました。
 その後、愛敬君という素晴らしい男性と巡り会い私の仲人で結婚しました。結婚後は円満に結婚生活を送り男女二人の子供にも恵まれ、時々わたしの家にも訪ねてきております。今年の春、息子のセイヤ君が難関を突破し慶応高校に入学し、挨拶に来た折り、是非レスリング部に入るよう言っておきましたところ、先日連絡があり九月からレスリング部に入部したとのことでした。私は思わず「偉い」と言ってしまいました。「三ヶ月辛抱できたら俺が指導して神奈川から国体に出れるようにしてやる」と言ったら、大学生にも可愛がられ、毎日楽しく練習しています。「絶対辛抱します」と言っていました。女子レスリングの一期生の息子が勉強も良くでき、素直に育ち、逞しくなっていってくれることに、心から嬉しく思っています。

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