ルール改定について

 レスリングの国際ルールはオリンピックの後、四年ごとに改定されることになっている。アテネの後のFILA理事会は国際ルールの大幅な改訂を承認する。この新ルールによって今年度の全日本選手権が行われるが、どんなことになるやら今から心配だ。新ルールについては審判委員会から告知され、各地で説明会も行われることとなるが、大幅な改訂にそれぞれがとまどうこととなる。ルールの改定については、何故そんな、出鱈目なと思うことも多々あるが、世界のあらゆる格闘技を集約して出来あがったのがレスリングである。であるから日本の言い分が必ずしも正当とは言えない面もあり、それぞれの国に言い分があるのはもっともなのだ。
 米国は国内カレッジルールはがんとして変えずに、国際ルールに柔軟に対応している。「どんなルールになろうとレスリングの本質は変わらない」というのがアメリカの姿勢である。それに対しヨーロッパ、日本、韓国、はいち早く新ルールを研究し国際大会に備えるというスタンスである。
 しかし、実際にルールが変わって一番困惑するのは選手ではなく審判なのである。審判の解釈の違いによって勝敗が別れモニターテレビを見ながら右往左往する様が今から想像される。では何故そんなにルールを変えるのかと言えば、一言で言えば、見て面白いレスリングにしたいだけのことである。格闘競技の本質を知らない、FILA理事達が勝手にルールをいじり廻した結果がこの様である。福田FILA副会長は、マルティニー会長を説得して本来のレスリングに戻そうと務めてはいるが、それぞれの国の利害が絡みそう簡単にはいかないのが現状である。
 手前みそになるが我が少年レスリング連盟は発足以来「絶対に基本ルールは変えない」を連盟の総意として20年間やってきたが、間違ってなかったことを改めて感じている。
 
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