今年一年を振り返って
日本古来からの礼儀

 九月のニューヨークのレスリング世界選手権では日本女子選手は5階級に優勝した。我々協会長老グループもニューヨークに応援に行って大いに喜んだが、どうしても女子選手諸君の態度に不満があり大勝利して意気揚々としているコーチ陣に苦言を呈してしまったのだ。何が気に入らなかったかといえば、日本選手が勝利してからの態度が気に入らなかったのだ。日本選手は本当によく頑張った、良く戦った。それなのに、勝ってからの態度で全てを帳消しにしてしまった。日本には古来から戦った相手に対して敬意を表する、敗者に塩を送るといった相手を気遣う礼儀がある。それなのに日本選手で勝った瞬間、対戦相手に労いの態度を取ったのは吉田選手だけだった。他の選手はただ自分の勝利に喜び狂い、オーバーなパフォーマンスばかりだった。決して悪気はなく、優しい気持ちの女の子ばかりなのだが、勝利した瞬間ほんのちょっとの気配りが出来なかった為、ニューヨーク在住の日本人の婦人達に顰蹙を買ってしまった。「ニューヨークで米国選手と戦って勝利した日本女子選手が、満員の米国観衆の前で相手を馬鹿にしたようなカッツポーズを取って何のつもりなんでしょう。何で対戦した相手を労るような態度をとれないのでしょうか。私は日本人として本当に恥ずかしかったですよ。」「日本人って何時からあんな嫌な、人間になってしまったのですか。」私は試合が終わった夜、食事に招待された日本人の家庭で、ご婦人グループに厳しく言われてしまった。「日本女子選手は決して嫌な子ではありません。礼儀についてはコーチ陣を含め注意します。」恥ずかしい話だが、私は恐縮して米国在住のご婦人達にただ謝るばかりだった。
 先日、産経新聞のfrom欄で 佐渡ケ嶽親方夫人が「相撲は礼に始まり、礼に終わる、日本古来の良き伝統を継承する素晴らしいスポーツです。しかし最近は相手を思いやるという日本の美徳が失われつつあると感じます。」と書いてあった。日本人は江戸時代から世界中から礼儀正しい国民だと思われてきたのだ。日本人は嫌なやつになってはいけないのだ。

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