きりりとした顔

 八田会長の顔はいつ見てもきりりとしていて、何時も威厳があった。八田会長の早稲田大学柔道部の先輩でレスリング部創設の中心人物であった庄司彦雄氏も実に立派な顔をした写真が残っている。この二人の共通するところは毎朝暗いうちから木刀の素振りをし、終わったら真冬でも冷水を頭からかぶることである。常に自分に厳しく、生きる目標をしっかりと定めた男達の顔は魅力的である。
 最近、だら漢の私も朝一時間の散歩をし、緩みがちな顔を引き締めて、僅かでも老いに抵抗しようと思っている。私の会社がある紀尾井町のTBRビルが再開発で取り壊しとなるので、半蔵門のビルに引っ越すことになった。年内に引っ越すのだが、部屋の間仕切り電子機器の設置などなかなか大変である。しかし、私の引っ越しの仕事は八田会長の写真を役員室の何処に掛けようかという事ぐらいである。
 
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