八田会長と大蔵官僚

 八田会長が参議院議員時代に敬愛していた政治家は大蔵官僚出身者が多かった。前尾繁三郎、塩見俊二の両先生は大変尊敬していたようだ。大平正芳先生とも親しくお付き合い頂いていたようであった。
 八田会長はよく言っていた。「官僚出は凄い、国のために命がけだね。それに引き替え庶民派などと言われている政治屋は、大したこと無いね。大物などと言われている政治家も根性なしが多いよ。」
 当時は池田勇人、佐藤栄作の大蔵官僚出身の超大物政治家が日本の復興の舵取りをしていた時代で、良くも悪くも官僚が日本の全てを動かしていた時代であった。八田会長は早大出身の政党派会長からの招きにも応じず、あえて官僚派主流の派閥に入会した。八田会長が官僚出身政治家と付き合っていた真意は分からないが、塩見俊二氏には国会運営などよく質問をしていたし、国会図書館にも良く通っていた。八田会長は大変な努力家で解らないことがあると誰にでも質問し、本も良く読んでいた。おそらく官僚出の政治家は八田会長の知らないことを沢山知っていたのだろう、そして当時の官僚は日本国を世界一流にするために命がけで仕事をしていたのであろう。八田会長はそのことがよく分かっていたのだと思う。
 今の官僚は無能なのか、堕落しているのかは分からない、しかし、命がけで国の仕事をしているとは思えない。

戻る