聖子と京子

全日本選手権に久々に出場した山本聖子は三位に甘んじたが、伊調薫との試合は実に素晴らしいものだった。聖子はアテネオリンピック最終予選で吉田沙保里に敗れて引退し、結婚、出産、とごく普通の主婦の生活を五年間続けてのカンバックだけに、あの様な素晴らしい試合をするとは驚きである。引退前より一回りも二周りも大きくなり、成熟した女性としての魅力一杯であった。欧米ではママさん選手は珍しくはないが、ついに日本女子も国際水準に達したかと感無量である。一口にカンバックと言うが男子でも容易ではないのに、出産してからのカンバック、家事、育児、をこなしてのトレーニング大変な努力をしたのだろう。山本聖子は実に魅力的な選手になって再登場してきた、浜口京子も相変わらずの勝負強さで劇的なカンバックをした。重量級の浜口京子クラスの選手はそう簡単には育たない、浜口にも是非結婚してもレスリングを続けて貰いたい。勿論チャンピオン吉田沙保里もそうだ。今後第二、第三の聖子が出てくることを期待し、レスリング協会は彼女たちに出来るだけの助力をするべきであろう。
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