手首や指を掴まれた時の対応

 日本選手が国際試合で手首や指(二本以下は反則)を掴まれて苦しんでいる様をよく見かける。
国内試合の場合はレフリーの注意も行き届き、さほど激しい指の取り合いは見られないが、先般のアゼルバイジャンの世界選手権で吉田沙保里が受けた指の反則攻撃は酷いものだった。レフリー目の行き届かないところでの反則行為は如何に抗議しても、どうにもならない。世界と戦う選手はどんな反則にも自分を守るすべく技を、身につけなければならない。今回は手首を取られたとき、指を取られたとき、の対応を指導する。

 私はレスリングの技の指導を文字で書いて理解させようと考えている。選手が私の書いた文字での指導を理解してくれるので有れば、その段階で技に対する大半の理解は得られたと私は考える。幾ら技を手取り足取り教えても、その原理、理屈を教わる者が理解しなければ、どんなに反復練習しても技は身に付かないと私は考えている。

 手首を上から捕まれた場合(上からとは、手の甲側から掴まれるという状態である)、決して手を引いたり振り払ってはいけない。手を引けば相手を懐に呼び込むことになり、態勢を不利にする。振り払えば脇が開きこれまた体勢を崩す。その上捕まれた相手の手は簡単には放れない。防御法としては下の下である。
 正しい防御法を説明するので、自分の手を説明通りに動かして、確認しながら何度でも練習して欲しい。
 まず手首を上から捕まれたら、手の親指と人差し指を目一杯に広げる。その時人指し指と小指までの全ての指をぴったりと付けることが重要である。指を広げると手のひらには力が加わり手の甲に強い力が生まれる。
 次に手首を上に返して広げた親指と人指し指で相手の手首を下から掴むようにする。そして腕全体を突きだし、手のひらを相手の肩に突きつけるようにする。これで相手は掴んでいる手を離してしまい、更に脇が開き体勢を崩すのである。
 手首を下から捕まれた場合(相手のおでこなどに手を当た場合、手のひら側、下側から手首を捕まれた場合)、上記と同じに親指と人指し指をめいっぱい広げて、手の平に力を加え手首を下に叩くように返し、相手の手首を掴むようにする。それだけで相手の手は放れる。更に相手の手首を逆に掴み、手取りからタックルに行く絶好のタイミングである。
 指を掴まれた場合は、握り拳を作り、力の限り掴まれている相手の親指を握り、拳を相手に突きつけるのが最善の防御である。相手は掴んだ自分の指が逆に握り拳に挟まれ、身動きできず、激痛に耐えかね、手を振りほどくしかないだろう。
 是非試して貰いたい。

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