体力強化トレーニング

 人間の力には限りがある。しかし人間の力とは多岐に及び、特に格闘技の場合どれをもって力というのか定かでない。一般にはレスリング力、柔道力などと抽象的に言われている。重量挙の選手がレスリングをしても、その持つ力は発揮できない。上半身の力も、下半身の安定した力の裏付けがあって発揮されるのだし、腕力、脚力、も体勢の維持と梃子の応用によってその持つ数倍の力を発揮するである。
 人間の筋肉は一本0.0何ミリの筋の束の収縮、拡張によって骨を動かし、素早く身体を動かし、力を発揮するのである。そして、脳の命令つまり「思うこと」によって運動がなされるのである。この辺を手繰って行くと、トレーニングの本質が分かってくる。

 私はレスリングのトレーニングには今までとは全く別の方法もあるように思う。人並みはずれたレスリング力を持つことこそ、チャンピオンになる一番の近道であると思うのである。私もかつてはレスリング力のあった選手だったと思うが、世界最強のチャンピオン、ソ連のアリエフに組み付かれたら全く身体の自由がきかなくなった経験がある。勿論それぞれが持って生まれた力もあるが、人間の科学的な身体解明と合理的な練習によって、誰でも並はずれたレスリング力のある選手は育てられると私は考えている。
 簡単に言えば片足を取ったら、相手の足を何が何でも胸の高さまで引き上げれはそれで良いのである。今までの練習が間違っていたわけではない、私は今までレスリングの練習に加えて、全く違った練習方法を提案したいと考えている。
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