見えない力の研究

 スポーツの中でも格闘技ほど見えない力で勝敗が左右される競技はない。見えない力とは何にかと言えば、自信、根性、勇気、粘り、迫力、全て目には見えないものである。
 チャンピオンが持つ迫力、威圧感は数字には表せない。チャンピオンに握手だけで威圧感を感ずるのは何故か。これらは全て心が感じるものである。
 では心とは何か、何処にあるのか、全て脳に帰すのだろう。すなわち、目に見えない力は脳の働きと肉体の融合で発せられるのだろう。その為には絶対的な練習の裏付けと、信仰にも似た必勝の信念が求められる。勝つために必要な全てのことをし、一点の曇りのない必勝の自信を胸に、マットに上がった選手は必ず頂点を極るだろう。

 米国のオリンピック強化合宿所には、医務室と並んで祈りの部屋がある。如何なる宗教も受け入れる祈りの部屋である。コロンビア大学の精神免疫学の研究で、同じ実力の場合、祈ったものの方が祈らないものより良い結果が出るという研究が報告されている。
 世界選手権に臨む選手諸君、勝つための努力を惜しむな、必勝の信念を持ち続けろ。相手はほとんど実力に差のない選手達だ。勝敗の最後を決するのは錬磨に裏打ちされた必勝の精神だ。

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